「スマホを落としただけなのに」映画の考察!現実にもあり得る犯人の心理とは!? | Mental Holiday

「スマホを落としただけなのに」映画の考察!現実にもあり得る犯人の心理とは!?

スマホを落としただけなのに
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「スマホを落としただけなのに」映画の考察

犯人の異常行動の心理とは!?

「スマホを落としただけなのに」の犯人である浦野善治(成田凌)は髪の長い女性を5人も殺めてしまいます。

五人の女性の共通点は髪が長いということであり、浦野は被害者と実の母親を重ねてみていました。

 

浦野が被害者に抱いていた感情とは?

浦野が被害者の女性5人に抱いていた感情はいずれも憎しみの感情です。

小さい子どもに向かって「あんたなんて産まなきゃよかった」と怒鳴っているシーンが印象的です。

あの小さい子どもは二人の人物を表しており、一人目は犯人の浦野でありもう一人の人物とは警察の加賀谷学 (千葉雄大)です。

さらに別の回想シーンでは小さい男の子はお腹がすいているのに母親に食事を与えてもらえないという虐待のシーンもありました。

しかし、幼いころの浦野には母親に対する憎しみの感情はなくて泣いている母親の頭をなでているほど優しい子だととらえられます。

 

長い髪の女性に対する投影

幼いころに母親から虐待を受けた浦野ですが母親のことは大好きでした。

旦那が出ていったシーンで「あんたなんて産まなきゃよかった」と怒鳴られても泣いている母親の頭をなでるくらい母親ことが大好きだったのです。

浦野は母親のことが好きだったのですが、虐待を受けてまだ幼いのに満足に愛情を与えられません。

しかし、幼少期に満足に愛情を注がれなかった浦野は別の形で愛情を求めます。

それこそが、風俗店に通い母親と同じ髪型の女性と接することだったのです。

浦野が膝枕をしてもらい「おかあさん…おかあさん…」とつぶやいているシーンがありますが、あのシーンで浦野は幼少期に与えてもらえなかった愛情をもらおうとしています。

 

両極の感情(アンビバレンス)


風俗店で長い髪の女性に相手をしてもらっている女性に対して浦野は母親と何ら変わらない愛情を感じていました。

その後、長い髪の女性に相手をしてもらっていましたが接待の時間が切れてしまいます。

延長を要求する浦野でしたが、「予約が入っている」と断ったとたん長い髪の女性の髪をはさみで切ってしまいます。

客観的にみるとますます薄気味悪さが増えていく瞬間です。

自分は好きなのに受け入れてもらえない。

この時、浦野には両極の感情がありました。

一つ目は母親が好き=長い髪の女性が好きという感情であり、もう一つは僕は母親が好きだったのに何で大事にしてくれなかったの?=長い黒髪の女性はなんで自分を大事にしてくれないの?という感情です。

つまり浦野には過去の経験から母親に似た長い髪の女性の愛情を求めている感情と、自分を見放した長い黒髪の女性が憎いという二つの感情があったのです。

 

愛情の必要性

小さい男の子が母親に「あんたなんて産まなきゃよかった」と言われているシーンで男の子は大体2歳~3歳前後だと推測できます。

心理学では、子どもは0歳から3歳までの母親からの愛情がとても重要だと研究で明らかになっています。

昔から愛着に関する研究は数多くされてきましたが、幼少期に十分愛情を与えられなかった子供は短命であるほど子供にとって愛情は必要不可欠のものなのです。

しかし、犯人の浦野は母親から虐待を受けた経験から愛情を十分に与えられたいません。

その結果今回のような犯罪に手を染めてしまったことがわかります。

犯罪に手を染めてしまった理由がわかるシーンとして、取り調べで浦野が毒島(原田泰三)になぜ真相を突き止めることが出来たのか?と質問しています。

毒島は相手にしませんが加賀はゆっくりと犯人の浦野を見つめていました。

加賀と目が合った浦野は真相を突き止められた理由を悟ります。

「あんたも同じ種類の人間だったんだ」というセリフが印象的ですね。

実際に加賀も風俗に努める女性たちに職務質問をする際、こっそり女性に近づくという浦野と同じ境遇だったことがわかります。

 

 

 

「スマホを落としただけなのに」映画の考察まとめ

「スマホを落としただけなのに」では単純にスマホを落としたときに起こる最悪の事件を描いていますが、同時に幼少期に愛情を得られなかった子どもが犯罪に染めてしまう場合を描いていると考えられます。

しかし、犯罪に手を染めてしまうパターンは人それぞれであり加賀のように警察官になるものや浦野のように母親の愛情を求め続けるものなど現実でも問題になっていることを忠実に再現していると思います。

 

 

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